在宅医療

在宅医療のご案内

おおむち診療所はほぼ在宅医療を専門にし、在宅療養支援診療所や在宅時医学総合管理の施設基準を受けています。これらの言葉の意味などについては、このページのなかでまとめて解説します。
このページにはつぎのようなことを収載しています。

おおむち診療所の在宅医療の説明
在宅医療に関係する制度や言葉の解説
最後まで自宅で過ごすこととは

●おおむち診療所の在宅医療

おおむち診療所では初診から訪問して診療を開始するのを原則にしています。患者さんはもちろん、ご家族が診療所に出向いていただくことは基本的に不要です。
訪問診療はすくなくとも月1回いたします。通常は月2回以上を病状などを考えてご相談して決めます。経過によっては頻度を変更することもあります。
第1から第4の月曜・火曜・木曜が訪問日です。病状変化などでの緊急の往診はこれとは別です。第5週は原則として予定は入れません。また、祝日やお盆は休診ではなく、いつも通りに訪問します。正月の三が日だけは休診しますので、1月の訪問予定が変則的になることがあります。
ケアマネージャーとはできるだけ密に連絡をとることにしています。このため介護保険の居宅療養管理指導という制度を使わせていただいています。
在宅療養支援診療所であるおおむち診療所は24時間対応をしますが上農ひとりでは限界があります。したがって原則として24時間対応の訪問看護ステーションと連携することにしています。在宅医療の中心は上農のような在宅医ではなく訪問看護師であるということは現場を知った在宅医の共通認識になっています。訪問看護についてじゅうぶんにご理解いただくようにお願いします。
診療費は1ヶ月ぶんをまとめて翌月の中旬に郵送します。銀行に振込するか上農に直接手渡ししてください。
老衰や悪性腫瘍などの場合に最後までご自宅で過ごしていただく支援を、おおむち診療所は訪問看護ステーションと連携していたします。ただ、在宅での看取りはいろいろな意味でご家族にかなりの負担になるため、上農は在宅看取りを強く勧めることはしていません。難しいと思ったら遠慮なくお話しください。この件については説明書の末尾にもうすこし詳しく書いています。

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●在宅医療に関する制度・言葉

わが国では保険医療制度が整備されているため、患者さんにとってはいつでもどこでも同じ治療や検査を受けることができる利点がありますが、しかしいっぽうこの制度は法律で厳密に規定されているものであり、逸脱することができないという、いわばがんじがらめのものになっています。いろいろな制約もあり、必ずしも患者さんのご希望を受け入れられない場合もあります。非常に複雑な制度ですので、詳細はその都度ご説明いたしますが、基本的なものについて簡単に解説しておき
ます。
在宅療養支援診療所: 24時間連絡を受け、往診や連携病院への入院などの対応が可能な状態にしている診療所をいいます。
往診: 患者さんまたはご家族の依頼があってご自宅などに出向いて診療するもの。再診料+往診料の請求になります。夜間や深夜の往診には加算がつくことがあります。
訪問診療: 通院が困難な患者さんのご自宅などに定期的に訪問して診療を行うもの。訪問診療料で請求します。少なくとも家族などの助けを借りずに通院できるような場合は訪問診療の対象でないと具体的に定義されています。
ご自宅の場合と、有料老人ホームなどの「同一建物居住」の場合では料金が異なります。またご夫婦の場合など、1軒のお宅で複数の診療をした場合は2人目から再診料のみになります。
在宅時医学総合管理: 患者さんごとに診療計画をたてて定期的に訪問診療をした場合に加算されるもので、診療に必要な医療材料や薬品などの費用が含まれます。
施設入居時等医学総合管理: 有料老人ホームや、養護老人ホーム、サービス付き高齢者専用賃貸住宅などに入居されている患者さんごとに診療計画をたてて定期的に訪問診療をした場合に加算されるもので、やはり診療に必要な医療材料や薬品などの費用が含まれます。
在宅寝たきり患者処置指導管理: 在宅でキズなどの処置などを行っている患者さんに対して加算されるもの。
在宅がん医療総合診療: 通院が困難な末期の悪性腫瘍の患者さんに対して訪問看護と協力して総合的に診療する場合に加算されるもの。
※これらの管理を算定している場合は、一部の薬剤などを除いてガーゼなどの療養に必要な器材類は診療所から提供します。薬局などで購入されずいちど上農にご相談ください。
○その他にさまざまな医療器具を使用しておられる場合にいくつかの加算があります。人工呼吸器や酸素発生器などは、おおむち診療所が業者からリースし、そのリース料金を加算分を充当するしくみになっています。
居宅療養管理指導: 介護保険での請求になります。ケアマネージャーや訪問看護師、訪問介護士、薬剤師などの介護スタッフとの連絡調整を行い在宅での介護を総合的にみるために請求します。

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●最後まで自宅で過ごすこととは

○上農やいくつかの訪問看護ステーションの訪問看護師はながらく在宅での看取りの経験を積んでおり、患者さんやご家族のご希望があれば最後までご自宅で過ごしていただくことができます。
○しかしながら、病院や施設と異なり、常時専門スタッフが援助するわけではないご自宅では、ご家族の負担がきわめて大きいことを考えておく必要があります。
○基本的には患者さんの看取りはご家族だけでしていただくことになります。上農や訪問看護師がベッドサイドでずっとつくことはありません。たまたま看取りの時間にいることはあっても、ご連絡いただいてすぐに確認やお世話に伺うのが多くの流れです。法令に疎いかたが、亡くなったときに医者がいないと警察の検死になるなどと無責任なことをおっしゃったりしていますが、その心配はありません。
○「在宅で看取る」つもりでも、いざとなって難しくなる場合も少なくありません。それで、在宅の方針を変更することに上農は病院への紹介などの手配をいたします。無理をせずご相談ください。
○看取りについてはそれぞれのご事情や考えかたがあり、微妙な問題も多くあります。遠慮なくご相談ください。

(Rev. 2.0 2016-04-11)
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